ゲーム

ついに決着!カプコンとコーエーが争ったゲームの特許とは

ゲーム業界でも特許を巡り訴訟騒動になることがよくあります。

例えば、カプコンとコーエーテクモの特許騒ぎも、業界では注目の的でした。

2014年に始まった騒動は2019年、ついに決着します。

今回はゲームの特許に関するお話です。

2014年カプコンがコーエーテクモを提訴!

カプコンもコーエーもゲーム業界では“超”有名な会社ですよね。

2014年、そのカプコンはコーエーテクモゲームスを相手に、訴訟を起こしました。

問題になったのは、カプコンが所有している「特許第3350773号」と「特許第3295771号」。

え、あの名作ゲームが??カプコンの主張とは

カプコンの主張は、コーエーテクモゲームスが展開しているゲームで、自社の特許が侵害されているというもの。

具体的に、「戦国無双シリーズ」、「零シリーズ」に特許技術が使われている、と指摘しています。

ゲームの場合、どうしても展開やルールが似通ってくることがあるため、完全にオリジナルの作品をつくるのは至難の業。

どこまでが特許侵害にあたるのが、判断するのが難しいところです。

2019年に決着・・・結果は?

揉めに揉めた騒動ですが、2019年に判決が出ます。知的財産高等裁判所は、カプコン側の主張を認めました。

ただし全面的に認めたわけではありません。

主張の一部を認める、という判決結果になりましたが、コーエーテクモはカプコンに対して損害額や弁護士費用など、約1億5,000万円もの金額を支払うことになりました。

一部勝訴とは言え、勝訴は勝訴です。

「カプコンの発表」

ただし、コーエーテクノゲームス側はカプコンの勝訴を認めつつ、非侵害と判断された部分もあることもコメントで主張しています。

「コーエーテクノゲームスの主張」

一部勝訴したカプコンの特許とは

訴訟の対象になったのはどのような特許技術だったのでしょうか。

「特許第3350773号」
https://patentfield.com/patents/JP19940306428

この特許は、シリーズ化された一連のゲームソフトを買い揃えていくことで、豊富な内容のゲームを楽しむことができるようになる、というものです。

カプコンとコーエーが争ったゲーム特許まとめ

いずれにしても、訴訟対象になった2つの特許は既に存続期間が終わっています。

ゲーム業界でも次々に特許が取得されているので、新しい作品を開発する時は

「これまでのゲームの特許権を侵害していないかどうか」

チェックする専門家の知識が必要になることは間違いありません。

あの名作ゲームが!ときめきメモリアルの特許騒動

「ときメモ」の愛称でお馴染みの一世風靡した恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」。

プレイステーションからゲームボーイ、アプリなど10種類以上の機種で展開されている大ヒットゲームですよね。

実は特許のことで揉めていたことはご存知でしょうか。今回はゲームの特許のお話です。

ときめきメモリアルの特許騒動って?!

「ときめきメモリアル」は1994年に発売されて以来、今に至るまで絶大な人気を集めている伝説的なゲームです。

ときメモはプレイヤーが架空の学校の学生になり、設定された登場人物との擬似恋愛を楽しむというストーリー。

卒業式までに告白されることを目指し、各パラメーターをあげるためにプレイします。

このパラメーターのデータを記録したメモリーカードこそ、騒動の対象です。

メモリーカードの販売業者が訴えられた!

ときメモ特許騒動の原告は、ゲームソフトの著作者人格権を有するナムコ(現・コナミホールディングス)。

一方、被告はゲームソフト用のパラメーターを収めるメモリーカードの販売業者でした。

被告が販売したメモリカードには、一般的なプレイ操作だけでは到達できない法外に高い数値のパラメーターが設定されていました。

その他、

  • 作品には出てこない人物が登場する
  • ゲームスタート時点から卒業間近まで飛ぶことができる
  • プレイしなくても告白される

こういった点も争点になりました。

同一性保持権の侵害が認定!

裁判の結果、同一性保持権の侵害が認定されました。同一性保持権は、著作権法で定められている権利です。

プログラムを書き換えて登場人物のパラメーターが変更していることが著作物を侵害していると認められたわけです。

ときメモの特許はない?!

ちなみに、裁判に勝利したときメモですが、特許は取得していません。

タイトルのみ、10件以上登録商標手続きが済んでいます。

(権利者:株式会社コナミデジタルエンタテイメント)

ときめきメモリアルの商標登録「第4004549号」

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1995-118924/AB51F52583508AE3812D4D2D7BC0EA724BAEA72B1B47D4BAF95E27B73F3FE7F8/40/ja

ときめきメモリアルの特許まとめ

ときメモの特許が取得されていないのは、意外な事実でした。

ゲームの権利を巡る争いは、ゲームの専門知識が必要ですよね。

裁判所の方でも頭を抱える案件なのではないでしょうか。