最近ユニクロに行って驚いたこと。
それは巨大なレジカウンターが消滅し、セルフレジなるコーナーが出現していたことです。
既にセルフレジの経験はあったのでスムーズに手続きを終えることができましたが、数日後こんなニュースが飛び込んできて二度驚くことになりました。
「ユニクロのセルフレジが訴えられる!特許の侵害」
今回はセルフレジの特許のお話です。
セルフレジが急増する時代背景
ユニクロ以外にも、セルフレジを導入するお店が増えたのを感じませんか?
大手スーパーでも続々とセルフレジを取り入れていますよね。
ユニクロのセルフレジは完全に“セルフ”のフルレジスタイルでしたが、近所のスーパーのレジはお会計を支払う時だけ“セルフ”のセミスタイルが多いようです。
いずれにしても、お店側も人手不足をカバーしやすくなる上、お客さん側もレジの待ち時間を短くするメリット、精算の時に焦らずに済むメリットなどがあります。
店員さんとの会話を楽しみたい、なんて昔の八百屋さん文化が廃れかけている今、セルフレジは時代にマッチしたサービスと言えます。
訴えたのは取引先の会社!?
さて、このセルフレジを巡り、超有名企業のユニクロが訴えられてしまいました。
訴えられたのは正確にはユニクロ傘下の「ファーストリテイリング」ですが、訴えた相手は、元々取引のあった会社「アスタリスク」。
どうやら身内の騒動のようです。
ライセンス料の支払い問題・・・
ユニクロを訴えた「アスタリスク」社長の主張によると、ユニクロ側がセルフレジを利用するにあたり、ライセンス料を支払わなかったというもの。
アスタリスクは特許出願中、お披露目イベントでユニクロの傘下企業、ファーストリテイリングの担当者に技術を紹介しました。
その後、ファーストリテイリング側から、新型セルフレジに関するアプローチはなかったそうです。
ところが、後日アスタリスクの特許技術とそっくりな技術を活用したレジを、ファーストリテイリングが発表。
アスタリスクの社長は「うちの製品のまんまだ」と感じ、ファーストステイリング側に説明を求めたものの、ファーストステイリングがライセンス契約を成立させることはありませんでした。
しかもユニクロのセルフレジ化は積極的に展開。
その結果、20019年9月24日、アスタリスクはユニクロのレジに対し、特許権侵害行為差止仮処分命令申立を行うことになりました。
騒動を起こしたセルフレジの特許とは
揉めに揉めているセルフレジの特許とは、一体どんな内容のものなのでしょう。
読取装置及び情報提供システム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
この特許技術は、専用装置の中に商品を入れるだけで、無線タグを正確に読み取ることができるというもの。
従来の電波システムは、扉を閉めないと、近くの他のタグを誤読するトラブルがありました。
その点、アスタリスクが開発した読み取り技術では、装置の蓋を閉じることなく、商品を置くだけで読み取り可能。
より簡単にお会計を済ませることができます。
ちなみに、ローソンなどで導入されているレジシステムの特許には抵触していません。
セルフレジの特許まとめ
このトラブルは現在まだ係争中なので結末は分かりませんが、IT化が進むアパレル業界の知的財産を巡り、波紋を呼ぶ事件になることは間違いなさそうです。
今後も様々なタイプのセルフレジに関する特許が増えてくるでしょう。