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取れる?取れない??プロレス技の特許とは

数ある格闘技の中でも、プロレスは奥が深い競技です。

若者のプロレス離れは深刻だと言われていますが、まだまだコアなファンは健在ですよね。

今回はプロレス技の特許に関するお話です。

有名女子プロレスラーが苦情ツイート!

「プロレス」と「特許」は、すぐに関係性を思いつかない言葉同士かも知れません。

けれど先日、豊田真奈美さんがツイッターに呟いたツイートが話題になっています。

豊田真奈美さんと言えば、「飛翔天女」。

ベテランのプロレスファン世代の間では“超”有名人。

現在でもかなり人気の高い元・女子プロレスラーです。

その豊田真奈美さんが呟いたのが、自分で考案したオリジナル技「ジャパニーズオーシャンサイクロンスープックス(日本海式竜巻原爆固め)」に関して、「勝手に使って貰いたくない」という苦情。

自分のオリジナル技は禁止できる?

豊田真奈美さんのツイッターを巡り、

プロレスファンの間で熱い議論が交わされました。

「あの技は彼女オリジナル!」と擁護する意見から、「特許や商標登録の対象だっけ?」と疑問を感じる声まで、様々な意見が出ています。

果たして、プロレスの技で特許は取得できるのでしょうか??

プロレスの技は特許権の対象外

結論からお伝えしますと、プロレスの技で特許権を取得することはできません。

実際、豊田真奈美さんのオリジナル技についても、特許や商標登録のようなものを取った事実はありません。

特許の定義はあくまでも「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」とされています。

「技能」では特許を取得できない事実

プロレス技は、技能の1つと考えられています。技能は客観性がなく、個人の熟練によって得られるものです。

個人差が激しいので、特許庁が個々の技能に関して特許権を与えることはありません。

例えば野球のボールの投げ方も技能に該当。

自分独自の投げ方を考案しても、特許を取得することはできません。

ただし、商標登録の取得はOK。

豊田真奈美さんのオリジナル技には、オリジナルの名前もついています。

プロレス技の名称に関しては商標登録を取得することができます。

けれど商標登録を取得しても、制限できるのはオリジナル技の名前がついたグッズの販売ぐらい。

プロレスの試合で技を使うのを禁じる、というところまではいきません。

プロレスのオリジナル技の特許まとめ

微妙な問題ですが、個人的にはマナーの問題として、先輩の技を使う時はお伺いを立てた方が良いのではないでしょうか。

同じプロレスラーでも、「自分自身の技をおおいに使って広めて欲しい」と考える人もいれば、「誰にも使って欲しくない」と考える人もいるわけです。

先輩へのリスペクトがあるなら、その技の持ち主がどう考えているのか、探りを入れプライベートで許可を取れば丸くおさまる気がします。

大手企業が続々!おいしい紅茶の特許とは

熱い紅茶が美味しい季節になりました。

日本に初めて紅茶が入ってきたのは、明治20年。

当時は貴重な舶来文化として上流社会でもてはやされていましたが、

今ではすっかり庶民の飲み物として愛飲されるようになりましたよね。

コンビニでも必ずインスタントのアイスティーが売っています。

今回は紅茶の特許に関するお話です。

1年中嬉しい紅茶の効能

紅茶はイギリスを代表するお茶、というイメージがあるかも知れません。

ただ、今は日本でも大変人気がある飲み物で、

コンビニやレストランにも必ず置いてあります。

紅茶は単純に味が美味しいだけではなく、

香りによるリラクゼーション効果も魅力の1つ。

また、カフェインも入っているので飲むと頭が冴える感じがします。

その他、脂肪燃焼効果や殺菌作用など、年間を通して嬉しい効果が色々。

昔からお馴染みのロングセラー紅茶も多く、

国内の大手飲料メーカーも熱心に開発に取り組んでいます。

意外と特許が多い日本の紅茶

たかが紅茶、されど紅茶・・・。

同じ紅茶でも、

飲み比べてみると各メーカーによって微妙にテイストが違うことがわかります。

どのメーカーもより美味しくなるよう、

オリジナル技術を駆使しているようです。

実際、インスタント紅茶も含め、

特許を取得している国内メーカーは少なくありません。

キリンビバレッジやアサヒ飲料、花王、エスビー等など。

味の素AGFの紅茶は“フレーバー”で特許を取得

味の素AGFも紅茶の特許を取得した会社の1つ。

香ばしい香りを強化したインスタントコーヒーでも特許を取得していますが、

インスタントフレーバーティーでも特許を出願し、成立しました。

インスタント嗜好性飲料用組成物及びその製造方法

「フレッシュアロマ技術」はインスタントフレーバーティーの果汁感と果物の香りを向上させるオリジナル成分と製造方法の特許です。味の素AGFはこの技術を使って、「愛媛伊予柑ティー」などご当地土産ギフトシリーズも展開しています。

日本は果物が美味しい国。

地方の果物が新しい紅茶として活用され、地元以外の人間にも広まることは、

喜ばしいことですよね。

今後も特許技術を活かし、

色々な名産品を紅茶として応用して欲しいものです。

モナリザの絵は自由に使ってOK?絵画の意外な特許

先日知り合いの個展を見に行きました。

絵も素敵でしたが、

美術の道で家族を養えるほど成功しているのがすごい・・・

と本当に思いました。

昔の絵は自由に使ってOK

画廊のオーナーと偶然著作権の話になりましたが、

なんと絵画の著作権は一般的に著作者が亡くなってから50年間だそうです。

死後50年間は著作権が保護され、配偶者や子供も利益を得ることができますが、

その権利も50年経てば消失。

つまり、500年前以上前に描かれたダ・ヴィンチの「モナリザ」も

自由に使って良いことになります。

確かにモナリザの絵はあちこちで使われていますよね。納得!

 

絵画の特許はとれる?

それでは、絵画の特許はとれるのでしょうか。

結論からお伝えしますと、答えは「No」です。

絵画のような知的財産に関しては、新しい手法を使った絵画だとしても、

技術的創作とはみなされず、特許も実用新案も取ることができません。

絵画の制作方法については特許がとれる

ただし、絵画の制作方法に関する特許はあります。

東京藝術大学大学院美術研究科保存修復日本画研究室では、日本の古墳壁画に多大なる影響を与えた高句麗古墳壁画の調査・記録を続けてまいりました。世界遺産にも登録されている高句麗古墳群には数多くの古墳壁画があります。これらの古墳に描かれた壁画は、我々の文化のルーツを知る上でも非常に重要な絵画ですが、壁画という性質と文化財保存の立場から、移動したり容易に公開したりすることができません。
その解決策のひとつとして摸写やレプリカなどの製作が考えられますが、従来行われてきたような手作業での摸写製作方法でこのように数多くの壁画を摸写するには、大変な時間と労力が必要となってしまいます。また近年の写真や印刷技術の向上によって精密な複製が可能となりましたが、凹凸のある岩や岩絵具などの質感を表現することができませんでした。そこで当研究室では、迅速で、その上岩や岩絵具などの質感を表現することのできる摸写・レプリカの製作方法を開発いたしました。

この方法により、岩や岩絵具の質感を薄い紙の上に表現でき、岩を非常に薄く軽く表現することが可能となりました。またこれまでの手作業で行う摸写手法とは異なり、迅速で正確に製作することができます。壁画への利用の他にも、岩を摸した壁紙材や建築材料としての利用も考えられます。 これにより、貴重な文化財であるオリジナルの壁画を現地保存したまま、同じ質感の絵画を多くの方へ公開することができ、絵画の教育普及活動にも貢献できると考えております。

東京芸術大学が出願した特許で、貴重な古代の壁画の模写、レプリカの制作方法に関する特許です。凹凸がある岩や岩絵具を使った壁画の質感まで正確に模写するのは至難の技ですが、この特許技術の開発によって質感までリアルに紙の上に表現することに成功したそうです。

質感を表現した素材の製造方法及び絵画の製作方法、質感を表現した素材及び絵画、建築用材料

  • 特許 – 権利維持

    53%
  • JP20090048843 – 特願2009-048843 (2009-03-03)
  • JP2010201750 – 特開2010-201750 (2010-09-16)
  • JP4559524B – 特許4559524 (2010-10-06)
  • https://patentfield.com/patents/JP20090048843

最新技術が古代の芸術を支えている、と知ると感慨深いものがありますよね。文化を残すためにも高い技術力が必要なのだと思い知らされるニュースです。