サッカーの試合で、ユニークな特許アイテムを見かけました。
ワールドカップでも大活躍していますが、フリーキックの時に審判が使用している謎のスプレーを見たことはありませんか?
ワールドカップで使われる謎のスプレー
サッカーの試合をじっくり観察していると、
フリーキックが始まる前、
守る選手とキッカーが蹴るボールとの間にラインを引くため、
審判がスプレーを使っていることに気づくはずです。
実は、このスプレーこそ、世界各国で特許化されている特許アイテム。
芝生に引いた白いラインは1分以内に消え、
試合を邪魔することはありません。
バニシング・スプレーでファンのイライラがSTOP!
フリーキックの時に使われるスプレーは、「バニシング・スプレー」と言います。
既にブラジルやアメリカ、ヨーロッパや中国で特許化されています。
発明者のエイニ・アレッグマーニェさんがバニシング・スプレーを思いついたのは、
「フリーキックの時にサッカーファンがイライラしている時」
だそうです。
蹴る選手と守る選手の境界線が曖昧だと、
守備側の選出たちはどうしても前のめりになってしまい、
度々レフリーが選手たちを後ろに戻さなければなりません。
その都度試合が中断するのは、
確かにイライラさせられてしまいますよね。
白熱した試合で残り時間が限られている時など、
全体のイライラも最高潮を・・・・。
キッカーが蹴るボールと守る選手たちの距離を明確に分けるため、
バニシング・スプレーが大活躍。
無駄に試合が中断されることも激減、
会場が嫌な空気に包まれることも少なくなりました。
特許発明者は利益度外視!サッカー愛がすごい・・・
現在、バニシング・スプレーは国際特許が出願され、世界中で特許化されています。
2012年には国際サッカー評議会(IFAB)の承認を受け、
現在ではワールドカップに正式起用されています。
開発者のエイニ氏は利益よりサッカー愛を優先し、
ワールドカップのためにバニシング・スプレーを320缶も提供したそうです。
現在は特許を巡り大揉め中!?
ただし、美談で終わるかと思いきや、
この特許を巡り開発者の1人と国際サッカー連盟はアイディア盗用の疑いで揉めているそうです。
実は、この揉めている開発者とスプレーを寄付した開発者は別人。
バニシング・スプレーは同時期にアルゼンチンの起業家、
パブロ・シルバ氏も開発しています。
そして、アイディアを盗用されたと訴えているのは、
ハイネ・アレマーニュ氏という新たな人物。
登場人物が錯綜しているので非常にややこしい状況になっていますが、
ハイネ氏も44カ国に通用する特許も取得している開発者のようです。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
日本で発行されたこのスプレーの特許です。
簡単に説明すると
「フリーキックで一時的なラインを引くのに使うスプレー」
ということになりますが、正式な説明では
「発泡水性組成物、その使用、及びスポーツにおける規定距離の一時的境界設定方法」
となります。
いずれにしても、平和に解決できると良いですね。
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