冬になると自動販売機に並ぶ、ホットのコーンポタージュ。
身体があったまる上においしいので、ファンも多いですよね。
今回は缶入りコーンポタージュのコーンを残さず飲むための特許のお話です。
コーンのつぶつつが缶に残ってしまう件・・・
つぶつぶのコーンも堪能できる缶入りのコーンポタージュ。
「寒くなると必ず飲む!」なんて方も多いのではないでしょうか。
けれど必ずモヤモヤするのが、つぶつぶのコーンが中に残ってしまうこと。
コーンを一粒も残さずに飲み干すことは至難の業です。
コーンを残さず飲む方法を大学が研究?!
実は、缶入りコーンポタージュの粒コーンを飲み干すための研究が、大学で行われています。
2016年、新潟国際情報大学が発表した論文は、ズバリ「缶入りコーンポタージュの粒コーン飲み干しに関する研究」。
コーンポタージュの粘性なども考慮し、粒まで飲み干すための飲み方を色々シミュレーションしたそうです。
※「缶入りコーンポタージュの粒コーン飲み干しに関する研究」
缶入りコーンポタージュスープは、冬場の缶入りスープとして定着しており、幅広い年代の人に飲用されている。しかし、飲用後に缶内に粒コーンが残留し、粒コーンを全て飲み干すことができない、というユーザビリティ上の問題ある。この問題に対して、缶形状の改良やスープ粘度の調整などが提案されている。しかし、これら従来の研究では、本来注目すべき飲用時におけるユーザ動作に関して十分な解析がなされていない。そこで本研究では、飲用時におけるユーザ動作の人間工学的な解析を行い、飲用後の粒コーンの残留要因を明らかにした。まず、飲用時のユーザ動作の特徴と残留コーン数の関係を29 名の被験者実験によって明らかにした。この結果、残留コーン数は、種々のユーザ動作の特徴の中で、ユーザが何回に分けてスープを飲用するかの回数(以下では「飲む回数」)と強い相関(相関係数R=0.82)があることを見出した。さらに、この「飲む回数」とそのときの「缶の傾斜角度」を用いて模擬的な動作パターンを作成し、これを用いることで、被験者実験を行うことなく、残留コーン数に対するユーザ挙動を再現できることを示した。次に、缶内の粒コーンの挙動を観察するため、可視化を行った。金属缶は透明樹脂により透明化し、スープに関しては、ほぼ同一の粘性・密度を持つ透明液で置き換えた。これによって、飲用時における粒コーンの動きを観察可能にした。最後に、上記の模擬的な動作パターンを可視化した缶・スープで実行することにより、飲用時に粒コーンが残留する主要因は、飲み口の段差に粒コーンが引っかかってしまうことであることを実験的に明らかにした。
新潟国際情報大学の結論
新潟情報大学で行われた研究の結果、飲み口より缶の側面を加工し「実質的に段差がない状態を作るべきでは?」という結論に到達したようです。
段差がない缶の特許が出願されていた!
実は、新潟情報大学が行った研究でたどり着いた結論、「段差がない容器ならつぶつぶコーンも残さず飲めるかも」このアイディアに非常に近い特許は、既に出願済みでした。
飲みやすい固形物入り飲料水缶の特許とは
この特許は「つぶつぶコーン入りコーンポタージュ」に限定せず、「固形物入り飲料水缶」と間口を広げています。
確かに固形物が入っている缶の飲み物は、コーンポタージュ以外にも色々ありますよね。お汁粉やナタデココ入りの缶も見かけたことがあります。
さて、この技術は、缶の飲み口付近の内側に出っ張りを設けることで、コーンなどの固形物が容器の段差に引っかかることなく、飲みやすくなるというもの。
飲みやすい固形物入り飲料水缶
https://patentfield.com/patents/JP20050380831
ちなみに、このアイディアは特許を認められていません。
出願はしたものの、現在は「取下・放棄等」の扱いになっています。
缶入りコーンポタージュのコーンを残さず飲むための特許まとめ
冬の名物、あったかいコーンポタージュのつぶつぶコーンを飲み干す方法、いち消費者として1日でも早く開発して欲しいものです。
ちなみに、ツイッターで話題になったのが「飲み口の下を少し潰しておくと、コーンも残さず飲める」という裏ワザ。是非試してみて下さい。
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